祭典

北海道新聞 夕刊 地域情報版   「みなみ風」  コラム欄 立待岬
2015年(平成27年)09月14日 第5290号 掲載

 

 函館市電の湯の川電停のそばに丸山園の湯の川店がある。近ごろ、お茶のかき氷をマスコミに取り上げてもらうことがある。店の向かいが湯倉神社ということもあって、伊勢のお茶で氷をつくっていることを話すと「こだわってますね」と言ってもらえる。
 湯倉神社の門前町と言っていい場所である。湯の川温泉のイベントなどに協力し、地域との関わりを強めて数年がたつ。
 湯倉神社の例大祭の時期を迎え、案内状を頂いたこともあって8日の本祭に初めて出席させてもらった。
 本殿から境内を見ると、そこには参拝されている多くの方々がおり、それぞれ祈り、願いをされている。そうした姿を見て、神学や宗教論などの各意見は別にして、ここは地域の鎮守様なんだなと素直に感じた。生活の基部になっているのだろう。
 本殿では、多数の神職で本祭が進められ、松前神楽・浦安の舞が行われた。獅子舞の前で手を合わせ、頭を下げる姿は信心深く、本祭に出席させてもらえたことで知りえたものだ。
 信じる者は救われると言われることがあるが、何を信じる信じないは自由であることが守らている日本国。ただ日本食が世界に注目される現代、稲作文化の米や酒、また茶という文化を理解する上で、なぜこうした祭典が行われているのかなどについて正しい知識を得る必要があると思っている。

登録日 : 2016-02-07  | 最終更新日 : 2016-11-15 | カテゴリ: 社長のコラム, 道新「みなみ風」