エンドロール

北海道新聞 夕刊 地域情報版   「みなみ風」 コラム欄 立待岬
2016年(平成28年)09月26日 第5538号 掲載

 7月12日に函館市芸術ホールで開催された映画「オーバー・フェンス」の完成披露上映会。キャストやスタッフなどの水分補給のためにお茶を提供したこともあってご案内があり、作品を見させてもらった。あれから秋となり、17日から全国公開が始まった。

 函館で映画ロケが行われているのは目にしていたが、給茶スポットの役割で関わるとは「ご縁」だ。やはり同じ、佐藤泰志原作シリーズの映画「そこのみにて光輝く」でも、神社でのロケに多数のエキストラが参加し、水の確保が難しいとのことで、100リットルの水だし茶を提供した。

 上質の味で、大量のお茶を出す方法や運搬など課題もあるが、井ヶ田式のお茶を喜んでもらえたことがうれしい。

 そのような今までの出来事を思い出しながら、銀幕に映し出されるストーリーは心にしみるものだ。大きな拍手のうちに本編が終了し、エンドロールとなった。銀幕に丸山園茶舗の文字が映しだされたのを見て、作品に名前を残すことができてうれしかった。

 暗の中で輝く文字たちを見ながら、茶業の勉強中のことを思い出した。あの頃の楽しみは、仕入で静岡入りする「お父さん」に付いて行き、静岡で一緒に映画を見ることだった。映画の後、料理屋で茶業や家のこと、社会のことなどを楽しく話すお父さんのことを思い出す。

登録日 : 2016-09-27  | 最終更新日 : 2016-11-15 | カテゴリ: 社長のコラム, 道新「みなみ風」