味の景色

北海道新聞 夕刊 地域情報版   「みなみ風」  コラム欄 立待岬
2015年(平成27年)11月02日 第5321号 掲載

 

 今年も、檜山北高校で家庭科を選択している3年生を対象とした日本茶講座を、10月21日と28日に行い、無事に終了した。茶についての知識、入れ方、味の違いなどを伝えるものだ。
 その年の学年のカラーがあり、授業の進め方についても毎回考えさせられる課題が発生するものだ。その度、茶を表現するための急須や茶わんなどの備品の充実、配置など、場数を重ねて修正をしてきた。
 21日の内容では、茎ほうじ茶を、水道水の温度と、湯でも入れてみる。同じ茶なのだが入れ方で味の表現が変化する。急須の種類も変えてみたが、どうもうまく伝わらない様子。28日は急須を今までの型にしたところ、うまくいき、日本茶講座の内容が完成した。自分にとっては記念日となった。
 日本茶を伝える難しさは、ペットボトルの出来上がった規格の味ではなく、茶を入れる人格によって味の景色が異なるということ。これは東洋の美につながるということを伝えたいものだ。
 東洋の美といえば、もみじをめでるのが、この季節の楽しみだ。今、函館・香雪園で函館市、市住宅都市施設公社主催の「はこだてMOMI-G(もみじ)フェスタ」が開催中だ。その催しの一つで、旧岩船邸を会場にした抹茶を楽しむ企画を担当している。茶をたてる体験をしてもらい、その後は、ゆっくりともみじを見ながら抹茶を楽しむ。3日午前9時から午後3時まで、体験料500円。

登録日 : 2016-02-07  | 最終更新日 : 2016-11-15 | カテゴリ: 社長のコラム, 道新「みなみ風」